
「アンタレスS・G3」(26日、京都)
勝ち馬は3年連続で初重賞V馬。権力争いの激しいダート界において、新興勢力の台頭はつきものだ。今年も勢いのある4歳馬、フォーティファイドが念願のタイトル奪取を目指して重賞初参戦。父フォーティナイナー、母はダート交流G12勝を挙げたファストフレンドと血統面の裏付けも文句なし。ダート戦線に新しい風を送り込む。
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次世代のダート界を背負うだけの資質を秘めている。フォーティファイドの父、フォーティナイナーは砂巧者を次々と輩出してきた、言わずと知れた名種牡馬。母のファストフレンドは5歳時(現表記)に重賞初Vを飾ると、翌年には並み居る牡馬を撃破し、帝王賞、東京大賞典という交流G1・2勝をマーク。重賞9勝を含む全15勝をダートで挙げた、まさに砂の名牝。同馬には熱い“砂の魂”が宿っている。
母同様、頭角を現したのは古馬になってから。デビュー前からゲート内での駐立に難があるだけに、陣営は焦らずに成長を促してきた。復帰戦となった年明け京都の1000万下は5着。「久々で太めだった」と古川助手が話すように、プラス32キロは明らかに緩めの仕上げ。叩かれた2戦目で勝利をつかむと、準オープンの壁を軽々と突破し、オープンまで駆け上がった。「まだ馬体は絞れるくらい。もう少し筋肉質になってくればいいんだけどね」と、成長の余地を残しての快進撃は高いポテンシャルを表す。同時に、攻め馬の動きも一変している。「以前は“これで走るのかな”といった感じだったが、さすがに良くなっていますね」。手綱越しの確かな感触が、同馬の成長曲線を示している。
初の重賞挑戦は今後を占う試金石となる。「掛かったり、自分を見失うタイプではないので、距離は二千メートルくらいまでは大丈夫だと思う。上り馬だけに、この勢いのままに頑張ってほしい」。歴戦のつわもの相手に堂々と立ち向かう。
-デイリースポーツ-










