
「エプソムC・G3」(14日、東京)
越後路に続き、府中のG3も“制圧”する。前走の新潟大賞典を3馬身差で完勝したシンゲンが重賞連覇を狙う。体質が弱く、これまで3度の骨折休養を余儀なくされたが、充実ぶりは顕著。大目標の天皇賞・秋(11月1日、東京)へ、きっちりと結果を出す構えだ。
圧倒的な強さを見せた新潟大賞典。メンバー最速のラスト3F33秒6の豪脚で、シンゲンは圧勝した。その内容は、陣営にとっても衝撃的なものだった。「いい競馬をしてくれるとみていたし、勝てるかなとも思っていた。でも、あそこまで強い競馬をするとは」。戸田師は笑顔で振り返る。
3度に渡る骨折を乗り越え、ようやく獲得した重賞のタイトル。「以前は骨が弱く、なかなか続けてレースに使うことができなかった。それに精神的にも弱かったですしね。それを思うと、よくここまで来たと思う」。我慢を重ねて迎えた待望の本格化に、トレーナーもうれしさを隠せない。
先週の安田記念を使う選択肢もあったが「弱い面のあった馬だけに、いきなり(G1の)強い相手にぶつけるより、段階を踏んでいこうと思ったんです」とG3連覇に照準を絞ってきた。もちろん、仕上がりは順調だ。
キャリアはまだ13戦。6歳を迎えたが、体力を消耗していない分、馬自身は若々しい。「今年は秋の天皇賞が最大目標。ここは確実に賞金を加算しておきたいですね」と指揮官は前を見据える。
コンビを組む藤田も、成長ぶりに目を細める。「以前に比べると随分頼もしくなった。あとは馬場状態だな。少しでも乾いて、いいコンディションで走らせてあげたい。そうすれば結果もついてくるだろう」。実りの秋に向けて、重要な意味を持つ一戦に挑む。
-デイリースポーツ-












