
「エプソムC・G3」(14日、東京)
東京開催のオーラスで、盛大な花火を打ち上げる。8戦オール連対と完ぺきなコース実績を誇るトウショウウェイヴ。初タイトルを狙うこの4歳馬に騎乗するのは、開催日8日間にも及んだ悪夢の騎乗停止処分が明けて、今週から復帰する吉田豊騎手(34)=美浦・大久保洋=だ。悔しさを晴らし、自厩舎の素質馬を重賞ウイナーへと導く。
トウショウウェイヴに寄せる陣営の期待は絶大だ。「秋は東京の二千メートルで大きいところがあるからね」と、大久保洋師は天皇賞・秋(11月1日)への参戦を意識する。来週から夏競馬が開幕、クラス再編で準オープンへ降級するが、あえて重賞へ。“確勝”ではなく“挑戦”を選択したのも、それが可能な馬だと自信を持っている証拠だ。
重賞での2戦は6、12着。それでも「前々走の中京記念は昇級初戦。前走の新潟大賞典は中間にトモを痛めて状態がイマイチだった」と力負けを否定する。確かに、前走の最終追い切りは通常の美浦坂路ではなく、ウッドで行われた経緯があった。「中間は坂路追い。間違いなく前走以上」と出来は雲泥の差だ。
府中との好相性も自信を支える。8戦4勝、2着4回と連対10割。「直線の長いコースではジョッキーも自信を持って乗っている。千八百メートルも守備範囲」。33秒台の上がりが武器の切れ者に、今回の舞台は最も似合う。
その末脚の引き出し役は、今週から復帰する吉田豊だ。5月10日のNHKマイルCで3番人気サンカルロに騎乗した際、他馬の走行を2度妨害し開催日8日間の騎乗停止処分を科せられた。「いい枠((2)枠(4)番)だったから、内があいてくれるかなと。外へ持ち出すイメージがなかった」と反省の弁を述べつつ、「レース勘の心配はない」と久々の不安を打ち消す。
トウショウウェイヴには2週連続で追い切りに騎乗し、きっちりと状態を把握している。「具合は良くなっている。府中では伸びが違うから。秋に向けて賞金を加算したい」。苦難を乗り越えた人馬が、東京最終週で輝きを取り戻す。
-デイリースポーツ-












