
東のユタカが帰ってくる。10日のNHKマイルCで開催日8日間の騎乗停止処分を受けていた吉田豊騎手(34)=美浦・大久保洋厩舎=が、今週の東京競馬から戦列に復帰する。日曜のメーン、エプソムC(14日)では、東京の芝で8戦4勝、2着4回のトウショウウェイヴに騎乗。重賞初制覇と秋の飛躍を期す。苦い経験を味わった男の手腕に注目だ。
デビュー16年目にして味わった苦い経験からようやく開放された。吉田豊は、騎乗停止による1か月の空白を埋め、レースでの騎乗を心待ちにしている。「長かったけど、今までは土、日の競馬を見る機会がなかった。そういう意味で、自分が乗っていた馬がどんな感じかな、とじっくり見ることができた」
悪夢のNHKマイルCとなった。前哨戦のニュージーランドTを制し、3番人気で臨んだサンカルロで、2度に渡ってライバルの進路を妨害、18着降着(8位入線)。開催日8日間の重い騎乗停止処分を受けた。2003年に落馬負傷と、海外遠征で約2か月間、国内の実戦から遠ざかって以来のブランクだった。「いい枠(4番)を引いた時点で、甘く見ていたのかもしれない。いい勉強になった」と反省しきり。
復帰となる今週は、秋に大きな目標を見据えるパートナーが待っていた。トウショウウェイヴだ。これまで東京の芝コースは【4400】。抜群の実績を誇る府中巧者。陣営は、天皇賞・秋を意識しているほどだ。前走の新潟大賞典は12着に敗れたが、中間にトモ(後肢)を傷めたのが影響したという。
しかし、今回は違う。本来の坂路での調教をこなして、上昇カーブを描いている。「状態は前走より間違いなくいい。オープンの1800メートルに対応できるかどうかだが、ここでやれれば楽しみ」と期待を寄せた。
人馬ともに夏から秋への飛躍のかかる戦いだ。「レース勘? 大丈夫だと思います」春のG1戦線は無縁に終わってしまったが、いきなり勝負強い手綱さばきが見られそうだ。
-スポーツ報知-












