
今週は今年初の2歳重賞「第41回函館2歳S」が札幌で行われる。主役は、デビューから無傷の2連勝で挑むキョウエイアシュラ。中間、せん痛のアクシデントもあったが、無事に回復。前走のラベンダー賞で見せつけた強烈な末脚を武器に、2歳1番星へ突き進む。
古馬顔負けの決め手だ。無傷の連勝で重賞一番星に王手を懸けたキョウエイアシュラ。直線半ばからグイグイと伸びた新馬戦も強烈だったが、ラベンダー賞は圧巻だった。スタートひと息で序盤は8番手。4角でも6番手。だが、直線で外に持ち出すと、凄まじい切れを発揮。軽快なスピードで逃げるチェリーソウマをあっさり差し切った。この時期の2歳戦はスピードが最優先で、先行有利が当たり前。ここまで派手な差し切りで連勝した馬は記憶にない。
「あの脚には、こちらがびっくりだよ。7番人気で勝ったデビュー戦はフロックではなかった。本物だね」。田代助手の表情も、ほころぶ。「完成度は高いと思っていた。気がいいし、素直。おとなしくて扱いやすい。走りにも癖がなく、カイバも残さずペロリ。今回は長距離輸送もなく、何の心配もないね。最終追い切りでも、速い時計はいらないはず」。3連勝に向けて懸念材料は皆無だ。
実は、ラベンダー賞直後に、ヒヤリとする事態があった。馬房へ戻り、ひと息ついた午後5時すぎ、アシュラが急に腹痛で苦しみだした。「発汗が凄く、どんどん苦しげな様子になっていった。驚いた」。ただ、スタッフ、診療所の早めの処置が効いて、じきに症状は治まった。「よくなったら、何もなかったようにケロリとしていた。危ういところだったが、本当によかった」。翌26日は大事をとってカイバを抜いたが、27日からは食欲も回復し、運動も再開。次なるレースに向けての影響はない。
「大変だったが、この生命力の強さを見た思いだ。今回も頑張ってほしい」。イチローではないが“何かを持っている”馬、キョウエイアシュラ。ドラマチックなデビュー3連勝は目の前だ。
-スポーツニッポン-












