
「函館2歳S・G3」(9日、札幌)
話題先行型ではないことを改めて証明した。メンバーで唯一、木曜追いとなったラベンダー賞2着馬チェリーソウマは6日、札幌ダートで5F70秒8-12秒9。中1週を考慮しソフトな仕上げが施された。それでも動きはしっかり。新コンビの中舘も絶好の感触をアピールした。先行馬に騎乗すれば天下一品の鞍上に導かれ、ブルーの瞳を持つサクラバクシンオー産駒が華麗な逃走劇を演じる。
金色のたてがみをなびかせ、栗毛の馬体が朝日の下を駆け抜けた。チェリーソウマは新コンビとなる中舘を背に札幌ダートで追い切られた。スピードタイプらしく、道中は鞍上が抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。ストライドの大きなフォームで、外ラチ沿いをジリジリと伸びてフィニッシュ。時計は5F70秒8-42秒1-12秒9と平凡ながら、上々の動きで順調さをアピールした。
「いいねえ。中1週だし時計が速くなることだけは避けたかった。(時計の遅さも)馬場の外めはきょう、時計がかかっているようだから何も問題はない。ホント、いい馬だよ」。前日に続き、背中の感触を確かめた中舘の表情が自然と緩む。
福島からの転戦となった前走のラベンダー賞(2着)は、馬体重がマイナス12キロ。「新馬戦のあとはテンションが高かったし、カイバをあまり食べなかった。でも先週末あたりから食べるようになって、日に日に落ち着きが増しています」と担当の石井調教厩務員は上昇気配をアピールした。
いわゆる“尾花栗毛”で、脚元はハイソックスを履いているかのような四白。さらに白面で、両目がブルーという派手ないでたち。話題先行と思われがちだが、しっかりとした実力の持ち主だ。
「伸二(前走騎乗の藤田)からもいろいろ話を聞いた。乗ってみても走ることにまじめだしフットワークもいい。今のところ、悪い部分が見当たらないよ」。それなら、鞍上の真骨頂である華麗な逃げが見られそうだ。「まだ気持ちに弱い面があるけど、良馬場の方がいいタイプだしスピードの絶対値が違う。この馬の競馬をしてあげられれば」とベテランは力を込めた。
-デイリースポーツ-












