
◆函館2歳S追い切り(6日) 明るい栗毛に、青い目と巨大流星。派手すぎるサラブレッドとして話題のチェリーソウマが6日、函館2歳S・G3(9日、札幌・芝1200メートル)へ向けて札幌競馬場で追い切られた。新パートナーの中舘を背に、ダートコースで5ハロン70秒6。中1週とあって控えめだったが、軽快な動きを披露した。新馬戦快勝のあと、ラベンダー賞2着と、外見のインパクトだけでなく、実力も備えている若駒。2歳世代で最初の重賞ウイナーとなり、スターホースへの道を突っ走る。
競馬場のどこにいても、目に飛び込んで来る。ド派手な風貌(ぼう)を持つチェリーソウマの栗毛の馬体が、ダートコースの直線を向いてさらに輝きを増した。
ハイソックスを履いたような四肢の回転数が、徐々に上がっていく。最後に軽く気合をつけられると、大きなフットワークで伸びて、ラスト1ハロン13秒3(5ハロン70秒6)。タイム自体は目立つものではないが、数字以上のスピード感があった。
騎乗した中舘の感触も上々だ。「思いのほか時計がかかる馬場だったし、中1週ということもあるので、このくらいで大丈夫。すごくいい状態で臨めるんじゃないかな」。コース入り直後は、少し頭を振って落ち着かない様子だったが、「ちょっと興奮すると、そういったしぐさを見せると聞いていた。問題はないと思う」と気にしていなかった。
デビュー戦(福島・芝1200メートル)は、好スタートから先手を奪い、3馬身半差で勝利。前走のラベンダー賞(札幌・芝1200メートル)は、最後にキョウエイアシュラにかわされ2着に敗れたが、直線の途中までハナに立ち、ファンを沸かせた。「スピードの絶対値が違うからね。フットワークの大きなところを生かして、あの馬の競馬をさせてあげたい」と中舘。はっきり口にはしなかったが、人馬ともに得意な逃げに持ち込む算段だ。
見れば誰もが忘れない魚目(さめ)と呼ばれる青い目と、超巨大な流星。中舘も、一瞬でその魅力に取りつかれた一人だ。「神秘的な目で、吸い込まれそうな感じ。ファンのみんなにも、パドックでしっかり見てもらいたいね」。もちろん、レース後のウイナーズサークルで、その“雄姿”をもう一度披露するつもりだ。
◆魚目(さめ) 通常は暗黒色の眼の虹彩が、色素が少ないため黒目の部分が青色に見える眼のこと。視力に障害はない。記録が残っている82〜06年までの生産馬(内国産、輸入馬、アラブを含む)約25万2000頭のうち、該当するのは29頭(約0.01%)と、非常に珍しい。チェリーソウマのように両目が魚目なのは、29頭のうち2頭だけ(左のみ11頭、右のみ16頭)。さらに貴重な存在と言える。
-スポーツ報知-












