
函館2歳S・G3(9日、札幌・芝1200メートル)には、スペシャルウィークを父に持つ“3人娘”が出走する。デビュー戦で、4馬身差の完勝を収めたソムニア。1回札幌の芝1200メートルの2歳戦で、最速タイムをマークしたステラリード。そして、2戦目できっちり変わったクロワラモー。同じ“SW産駒”で、今年の桜花賞、オークスを制したブエナビスタに続けと、重賞の舞台に挑む。
◆ソムニア 瞬発力
ソムニアのデビュー戦(札幌・芝1200メートル)は、期待通りの内容だった。好位を楽に追走し、4コーナーで先頭へ。直線に向いて仕掛けると、内から一瞬に抜け出して、2着に4馬身差をつけた。
「栗東のCウッドチップコースで併せた時も瞬発力があったから。センスの良さそうな馬で、使う前から楽しみだった」と松元調教師。母ドリームスケイプの兄に、97年函館記念勝ちのアロハドリーム、交流G1・4勝のユートピアがいる良血馬が、いきなり光を放った。
当時の体重は、412キロ。小柄なタイプだけに、今回は、馬体の維持がカギになる。「カイバは食べるけど、時期的に実になってこないのかな。ただ、増えてはいないけれど、減ってもいない」と青木助手。中間の調教にも工夫を施した。1週前のウッドチップコースでの併せ馬は、新パートナーの安藤勝が併走相手のティフィン(3歳未勝利)の方に騎乗、隣から様子を確かめた。
「ジョッキーが乗るとスイッチが入るので、隣で馬を見てもらった。『もう(強い追い切りは)いらないね』と安藤騎手は言っていた。このまま持っていくことができれば」と青木助手は順調な仕上がりを強調した。
初戦で騎乗した北村友が落馬負傷。替わりに鞍上を務める安藤は、ご存じ、ブエナビスタの主戦ジョッキーだ。「前回は、思い通りのレースだった。今回も、自分のリズムで走ってどこまで…」と青木助手。偉大な“先輩”の背中を知る名手とともに、来春につながる勝利を手に入れることができるか。
◆ステラ オトナの魅力
ステラリードは、札幌・芝1200メートルのデビュー戦で、陣営も驚く大人びたレース運びを見せた。
中団から1番人気のクロワラモーをマーク。直線で相手が先に抜け出したところを、きっちり差し切ってみせた。「センスのある内容だった」と日高助手。1分10秒0の勝ちタイムは、1回札幌開催の2歳戦では最速だ。
中間は、放牧先で十分に乗り込んで、2日には函館のWコースで4ハロン59秒4。馬なりだったが、不良馬場で力強い走りを披露した。「予定通り。順調にきている。初戦と比べても、力を付けている」とうなずいた日高助手。スピードとセンスを武器に、今年の2歳世代で最初の重賞Vを狙っている。
◆クロワラモー 成長力
初戦はステラリードに後れを取ったクロワラモーだが、2戦目(札幌・芝1200メートル)は、直線で中団から脚を伸ばして勝利。最後は、鞍上が手綱を抑える余裕を見せ、1馬身1/4という着差以上に強い内容だった。
「馬の後ろに入って、いい競馬をしてくれた。レースぶりは良くなってきている。前走でも物見をしていたくらいなので、上積みはあると思う」と橋本助手の期待は大きい。
-スポーツ報知-












