
青い目の快速馬が万全の態勢を整えた。「第41回函館2歳S」の木曜追い切りが行われ、ラベンダー賞2着チェリーソウマ(牡2=嶋田功)が、新たにコンビを組む中舘英二(44)を背に札幌ダートコースで快走した。両目が魚目(さめ)と呼ばれる鮮やかなブルー。金髪のたてがみに、派手な流星をまとった素質馬が重賞一番星を狙う。
ブエナビスタやマツリダゴッホが入厩している札幌だが、話題の中心はチェリーソウマだ。栗毛、金髪のたてがみ、鼻筋を白く染める流星、四肢も鮮やかな白。近づいて見れば、真っ青な両目のインパクトに驚く。前走でまたがった藤田や、横山典も騎乗者控室前で写メを撮ってニンマリだ。「新馬戦の時、パドックに入ったら笑いが起きて…。“コワ〜イ”という声もあったかな」と石井調教厩務員。実に得難いキャラクターだ。
だが、コースに入れば、あふれるスピードをいかんなく発揮する。単走で行われた木曜追いの鞍上には中舘。ハロー(馬場整備)明けのダートで躍動した。前脚が高く上がり、そこから深くかき込む。関節の可動域の広さ、体の柔軟さを物語る。余裕を残しつつ、最後は強めでフィニッシュ。5F70秒6〜1F13秒3と時計は抑えたが、見た目のスピード感は抜群だった。
「札幌ダートは時計が掛かるし、今回は中1週。これでいいだろう。凄くいい状態で臨めそうだ」。5、6日とまたがった中舘も最高の感触をつかんでいる。「(藤田)伸二から聞いていた通り、乗り味抜群。走ることにまじめで、フットワークがいい。むしろ、時計が出過ぎないよう気をつけたくらい。完成度は非常に高い。スピードの絶対値が違う」。中舘は、このド派手なスピードスターが、すっかりお気に入りだ。
美浦入厩時から話題の中心だった。石井調教厩務員が検疫厩舎で出迎えた時には関係者の人だかりができていた。「前走後、日に日に落ち着いてきた。楽しみ」と同厩務員。中舘は「神秘的な馬。吸い込まれるような瞳で、カラーコンタクトでもしているみたい。ぜひパドックで見てほしい」と語った。過去2戦で豊かなスピードを見せつけた快速馬。青い目の視線の先は、2歳世代トップをきっての重賞奪取だ。
-スポーツニッポン-












