
人気薄でもひそかにチャンスをうかがっているのが、イグゼキュティヴ、モエレエキスパートの(地)2頭。イグゼキュティヴは、一昨年に15番人気で2着に入ったサンツェッペリンと同じ「斎藤誠師&松岡」のコンビだけに不気味だ。
モエレエキスパートは、ホッカイドウ競馬から移籍初戦のシンザン記念こそ10着に敗れたが、前走の報知杯弥生賞ではしぶとく伸びて3着。優先出走権を手にした。
プラス10キロでの好走。「来た時は牝馬みたいな感じだったけど、ドシッとしてきた。環境に慣れて、調教でも落ち着いている。だから、食べるものが実になっていますね」と奥平調教師は目を細める。
実績は豊富だ。昨夏のクローバー賞では、のちのアーリントンC2着馬マイネルエルフを一蹴して、札幌2歳Sは、ロジユニヴァースと0秒4差の3着。「いろいろな経験をしている。混戦になると、それが生きてきますね」
中間は、茨城・ビッグレッドファーム鉾田で15−15(1ハロン15秒前後の軽めの追い切り)を2本消化してきた。「前で粘らせる調教をしています。万全の状態ですね。上位とまともにやっては分が悪い。レースでは前々につけて長所を生かしたいですね」しぶとさを武器に、ひと泡ふかせる構えだ。
◆道営出身馬のクラシック制覇 初Vは89年皐月賞のドクタースパート。北海道で6戦4勝の戦績を収め、88年に美浦の柄崎孝厩舎へトレード。初戦の京成杯3歳Sを快勝し、クラシックロードに乗った。スプリングS(3着)をステップに皐月賞へ進み、3番人気で優勝した。ほかには、牝馬のアローキャリーが、02年桜花賞を制している。
岡田繁幸氏(イグゼキュティヴのオーナーで、モエレエキスパートを所有するビッグレッドファームの総帥)「イグゼキュティヴは、早いうちに心肺機能ができていたので活躍できたが、ほかの馬の成長が追いついてきた。どれくらい走れるか。モエレエキスパートは前走、うまく乗ってくれた。ただ、決め手不足ですね。とはいえ、2頭ともまじめで力は出す。ほかの馬に嫌気が差すような状況になっても、頑張ってくれると思う」
-スポーツ報知-










