
◆皐月賞追い切り(15日) 4戦全勝で、関東の期待を一身に背負うロジユニヴァースが15日、美浦トレセンで追い切られた。ウッドチップコース5ハロン64秒6の好タイムを刻み、併せ馬で3馬身先着。05年ディープインパクト以来、史上17頭目の無敗での皐月賞制覇へ、万全の仕上がりだ。16日には、“3強”を形成するもう一頭のリーチザクラウンが最終追い切りを行い、枠順も決定する。
主役は自分だけ、と言わんばかりに、ロジユニヴァースが圧巻のパフォーマンスを見せた。
角馬場で入念なウオーミングアップを済ませ、気持ちにスイッチを入れると、ウッドチップコースに入った瞬間から、ため込んだパワーを一気に放出した。“助走なし”で、4〜5馬身前を行くノーフォークパイン(5歳500万)を追走。4コーナーでも、その差はほとんど変わらなかったが、直線に入ると一気に接近する。並ぶ間もなく外からかわし、最後は3馬身差をつけてフィニッシュ。5ハロン64秒6−38秒0−12秒9の好タイムを叩き出した。
勝利への手応えは、手綱を執った横山典の表情に、はっきり表れていた。「外を回って、あの時計だからね。直線は、手応えをみた感じで好きにしていいと言われていたんだけど、楽な感じで走らせてあげることができた」。無理せず好時計をマークできるのは、能力の証し。前走の報知杯弥生賞の直前追い切りは、坂路で47秒9の驚異的なタイムをマークしたが、好状態をキープできているようだ。
大舞台だからこそ、“敵”は自分自身とみている。「ライバルは、意識はするけど、気にはしないようにしている。本番は、(ロジユニヴァースと)仲良く、いつも通りの競馬をするだけ。そうすれば、いい結果を出してくれるからね」。昨年10月の札幌2歳Sから、戦いを重ねるごとに太く、強くなったきずなは、誰にも断ち切ることができないと胸を張った。
横山典にとっては、イングランディーレで勝った04年の天皇賞・春以来、5年ぶりのG1勝利がかかる一戦。クラシック制覇となれば、98年菊花賞(セイウンスカイ)以来、11年ぶりとなる。「プレッシャーはかかるけど、それを跳ね返してくれる馬。何と言っても、負け知らずだからね。いい相棒です」。その目には、勝利の2文字しか見えていない。
-スポーツ報知-










