
第76回ダービー・G1(31日、東京・芝2400メートル)の枠順が、28日に決まった。皐月賞を制し、史上22頭目の“2冠馬”を目指すアンライバルドは、大外の18番枠。一方、皐月賞を1番人気で14着に敗れたロジユニヴァースは、その時と同じ1番枠からのスタートとなった。注目の再戦。騎手としてダービーを制した現役調教師が“乗りたい馬”として挙げたのも、やはりこの2頭だった。馬券は29日、一部ウインズで前々日発売される。
無敵の皐月賞馬に、枠順など関係ない。アンライバルドに割り当てられたのは、大外18番。極端な数字を告げられても、友道調教師は、まゆひとつ動かさなかった。「僕としては、外枠が欲しかった。自分の競馬がしやすいし、内で包まれる不利もない」能力に信頼を置くからこそ、正面から現実を受け止めた。
スムーズに動ける大外枠。強い馬にはマイナスにならない。フルゲートが18頭となった92年以降、18番枠からダービーを制したのは2頭。97年サニーブライアンは2冠を達成し、01年ジャングルポケットは1番人気に応えた。前例があるのは願ってもない。
条件を考えても、18番は歓迎だ。東京・芝2400メートルは、大観衆から歓声が上がるスタンド前からの発走になる。「使うたびに落ち着きを増しているが、本質的に気性の難しい馬。気持ちが変な方に行くとまずい」一番最後にゲートに入れる18番なら、平常心を保ちやすい。わずかな不安要素を取り除くことができるのが、この大外枠だ。
前走の皐月賞は、16番からの発走。外を回って、ねじ伏せるように圧勝した。能力は同世代では断然。多少のロスがあっても、力さえ出せば結果はついてくる。「こちらが思った以上の強さを見せてくれる。もともと、皐月賞よりダービー向きと思っていた馬。雨が降って、道悪になったとしても問題ない」
厩舎の“先輩”アドマイヤジュピタは、14頭立ての大外枠から昨春の天皇賞を制した。「外枠に縁があるんだよ。皐月賞もピンク帽(8枠)だったしね」と友道師。手綱を託される岩田も「2冠馬になるチャンスは、この馬にしかない。結果を出したい」と気合を込める。広い東京競馬場。紛れのないコースの紛れのないゲートから、アンライバルドが2冠へのスタートを切る。
-スポーツ報知-










