
8番人気に甘んじていたトライアンフマーチは皐月賞の直線で末脚を爆発させて2着。道中は最後方、ポツンと離れた18番手を追走。速いペースについて行けないようにも見えたが、鞍上は確かな意図をもってあの位置につけていた。清山助手は「もしかして…の予感はあったね。ジョッキーも一発を狙うと言っていたし、それならあの形は十分に考えられる」。ポイントは騎手の狙いに馬がちゃんと応えたことだ。「G1の大舞台。しかもスピード競馬で、これまでと違った内容で結果を出せたのは大きい。資質の高さを示したと同時に、大きな経験をしたと言えるね」
デビューから4カ月、まだ1勝馬の身にもかかわらず、確実にダービーの有力馬に数えられるところまで来た。「本当にやんちゃだからね」と苦笑いの清山助手だが「以前は乗り手の意思を理解していてもその通りにしない面があった。それが経験を積むことで心身がかみ合ってきている」と評価する。今は単走の調教でも真っすぐに走れる。それだけではない。「走っている時、重心のブレが少ない。理にかなった走りができるようになった」
仕上げにも抜かりはない。皐月賞後は短期放牧でリフレッシュし、中間は予定通りの調教をこなしている。「前走でどんな流れにも対応できると分かった。幼さも徐々に解消している。今の状態でダービーを迎えられるのは喜ばしい」
07年に牝馬ウオッカで常識破りのダービーVを果たした角居厩舎。今年は戦後初、40年のイエリユウ以来となる1勝馬のダービーVを目指す。
-スポーツニッポン-










