2009年2月3日火曜日

最大78秒JRA裁決迅速化でイライラ解消 -馬皇競馬ニュース-






 買ったレースが審議になってハラハラしたり「早く払い戻したい!」とイライラした経験、ありませんか? JRAは今年1月から審議から確定までの手続きを見直し、迅速化を図った。1開催終了時点で審議件数は開催平均2件減り、審議時間も1分弱短縮と、早速効果が表れている。
 審議レースが増えると、ファンから「じっくり馬券を買えない」といった声が寄せられる。裁決に求められるのは正確性と迅速性。JRAはよりスムーズな競馬運営を目指し、裁決業務を見直した。
 審判部によると、中山、京都、中京の昨年1開催あたりの審議件数は平均15・1件。1日に2件の審議があったことになる。だが、今年は平均13・0件で、前年比14%も減少。1回中京は38件(8日間)から11件(6日間)と激減した。
 また払い戻し確定までの審議時間は、中山で平均10分24秒、京都で9分23秒、中京で9分4秒要していたのが、平均で54秒短縮された。特に京都では78秒も短くなった。
 これはパトロール映像収録機材の充実が主な理由。これまで横からの映像は1階検量裁決室に移動しなければ確認できなかったが、スタンド上階の裁決室で行えるようになった。そのほか、審議中の事情聴取を被害馬の騎手に限定したことも大きな変化。調教師に対しては確定後に説明することで、確定を早めた。
 近年審議が多かった理由には、ファンにパトロール映像を見てもらうために審議ランプを点灯した側面もあるという。審判部の中村嘉宏部長補佐は「本来、審議とは着順変更の可能性があるレースについて審議するもの。より本来の趣旨に近づけていきたい」と話す。現在、東京、中山、京都、阪神の4場ではパトロールビデオ専用モニターが設置されており、JRAのホームページでもパトロールビデオを確認できる。審議件数が減れば早く馬券を換金でき、馬券検討の時間も増える。
 現場も歓迎ムード。吉田豊騎手は「審議が多いと審議にならなかったケースで不満が出るが(審議が減っても)ちゃんと見てますよと、説明を受けていれば納得できる」と話し、後藤騎手も「審議時間が短くなれば、次の騎乗に早く気持ちを切り替えられる」と利点を述べた。
 一方、大久保洋師からは「騎手経験者を裁決委員に入れるなど、もっと勉強して威厳を持ってジャッジしてほしい」との要望もあった。
 審判部では毎週競馬翌日に元騎手の岡部幸雄アドバイザーを招いて勉強会を開き、騎手の立場からの意見を取り入れ、見解の統一を図ってきた。今ではほとんど食い違いがなくなったという。関係者もファンも納得のいく理想の裁決に近づきつつある。【山本幸史】
-日刊スポーツ-







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