
「共同通信杯・G3」(8日、東京)
勝利を重ねるごとに、スケールの大きさをアピールしてきた。トーセンジョーダンが09年初戦を迎える。デビュー戦こそ6着に終わったが、2戦目から3連勝でホープフルSを制した。良化の余地を残しながらの歩みは、無限の可能性を感じさせる。3歳初戦に選んだのは、父である01年のダービー馬ジャングルポケットと同じ舞台。連勝街道を継続し、クラシックの主役に名乗りを上げる。
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また一歩階段を上がる。3連勝でオープン勝ちを収めたトーセンジョーダン。今度は重賞タイトルを狙って府中に初見参だ。父であるジャングルポケットは共同通信杯をステップにクラシックへ参戦。ダービー、そしてジャパンCのタイトルをつかんだ。偉大な父の足跡をたどり、目指すのはサラブレッドの頂点だ。
圧勝だった。暮れのホープフルSは2着のアラシヲヨブオトコ以下に2馬身半の差をつけた。2番手追走から4角で先頭を奪うと、大きなストライドで悠々とゴールへ飛び込んだ。「体が減っていて、トモは丸みがなく、三角形になっていた。道中でも遊びながら走っていたからね」。圧倒的な内容だったが、池江寿師は気持ちを引き締める。
11月の京都、デビュー戦は6着に敗れた。「初戦は遊びというよりも豪遊していた。全く集中できていなかった」と振り返る。現在も発展途上で、幼さを残しながらの3連勝。真剣に走れば、一体どこまで強くなるのか。師の言葉から期待の大きさがにじみ出る。
5戦目の舞台を府中に定めた。もちろん、それはクラシックをにらんでのことだ。「コース、左回り、地下馬道、直線の坂…。とにかくいろいろな経験を積ませてやりたいと思った」。すべては頂点を見据えた選択。学習を兼ねた戦いとはいえ、自然に力が入る。
29日の1週前追い切りでは、先輩馬フサイチアウステル(7歳オープン)と栗東CWで併せ馬。一杯に追う相手に対して、馬なりのまま並入した。6F81秒5-38秒5-12秒0。「ゆったりした走りでスピード感は感じなかった。それでもしっかりと時計が出ていましたね。使いつつ良くなっているな、という印象があります」と指揮官はこれまで以上の感触をつかんだ。
春の主役へ-。無限のパワーを秘める大器が4連勝で堂々と名乗りを上げる。
-デイリースポーツ-







