
昨年のダービー馬ディープスカイは、坂路で陣営の思惑通りの動き。一段とパワーアップした走りで打倒ウオッカを狙う。
狙い通りの鮮やかなフィニッシュだった。ディープスカイは前半14秒9、13秒9と抑えて後半2Fへ。やや行きたがるそぶりも見せたが、右ステッキが入ると、グンと加速。最後にもう一発気合をつけられてラスト1F12秒3をマーク。3週連続で手綱を取った四位も「いい感じ」と好感触だった。
中間は、みっちりと坂路で乗り込んだ。復帰戦の前走・大阪杯前は息をつくる意味もあり、コースで追った。今回は「マイル戦で求められる瞬発力を意識した」と昆師は説明する。先月20日の2週前追い切りで4F51秒0の自己ベスト、先週27日にも51秒台を計時。そして最終追い切りは上がりをシャープに決めた。狙い通りの仕上がりに指揮官は満足顔だ。
「前2週でいい時計が出ている。今週は上がり2Fを12秒台のラップで来るように、最後まで加速するのがテーマ。最後は12秒3だし、伸び続ける感じでいい追い切りだった」
府中は昨春にNHKマイルC、ダービーの変則2冠達成。秋も天皇賞、ジャパンCで古馬一線級と互角に渡り合った相性のいいコース。昨年の覇者、この路線の実力馬がそろっても一歩も譲るつもりはない。4歳となり、たくましく成長した姿を見せられると確信しているのだ。「2週前の追い切りは、まだ太いと思っていたけど、自己ベストが出た。それだけパワーアップしているということ。ダービー当時とは筋肉の張りが違う」
今回の安田記念、そして宝塚記念を連勝すれば、世界最高峰レースの凱旋門賞挑戦のプランがある。「マイルと中距離の制覇は能力がなければできない。世界にアピールする、いいレースをしたい」と胸の内を明かした昆師。例年にない豪華メンバーが顔をそろえ、ハードルは決して低くない。それを乗り越えれば世界が見えてくる。
-スポーツニッポン-












