
ダービー馬の威信にかけても譲れない!!07年のダービー馬ウオッカは、CWコースの3頭併せ。能力の違いをまざまざと見せつけ、圧巻の5馬身先着。手綱を取った武豊も絶賛の嵐だった。
限界は見えてこない。今もなお進化し続けている。ウオッカの最終追い切りは、底知れないポテンシャルを見せつけるのに十分な内容だった。朝一番のCWコース。武豊を背に、先行2頭を追走する形でスタート。直線は角居厩舎定番の3頭併せと思われたが、馬体が並んだのはコーナーを曲がり切った一瞬だけだった。2頭をあっという間に置き去りにすると、5馬身ぶっちぎってゴールを駆け抜けた。ラスト1Fは11秒4。前半セーブ気味だったとはいえ、芝コースでもめったに出ない驚異的な上がりを楽々と叩き出した。
「流す感じだけど、動きは本当に良かった。最後は手綱を引っ張って抑えたくらい。“馬なり”なら、もっと速い時計が出ていた。ウッドチップの動きじゃない。スピード違反だよ」。数々の名馬にまたがってきた武豊ですら舌を巻く走りだ。「もともと強い馬だけど、ここに来て、さらに良くなっている。ひと皮むけた感じがある。体調が凄くいい。本当にいい動きだよ」と興奮気味に絶賛し続けた。
ドバイ遠征から、ぶっつけ本番となったヴィクトリアマイルで7馬身差の圧勝劇を演じた。角居師は「ドバイで結果が出なかっただけに、レース前は不安の方が大きかった」と振り返ったが、終わってみればすべてはき憂だった。武豊も進化を強調する。「以前は折り合いが難しい馬だったが、今年に入って随分と落ち着いた。乗りやすくなっているのは間違いない。特にマイル戦は対応しやすい」
牝馬同士だった前走に比べ、連覇を阻もうとするライバルは牡馬の一線級とあって確かに強力だ。「ディープスカイも相当強いし、香港からも実績のある馬が来ている。もの凄いメンバーだよ」と武豊は、その実力を認めた上で「ウオッカらしいレースをする。主役という気持ちはある」と堂々と宣言した。牝馬では初のG1・6勝目、賞金10億円突破…数々の記録がかかった大一番だが、今のウオッカなら楽々とクリアしてくれそうだ。
-スポーツニッポン-












