
南関東の3歳NO1決定戦、第55回東京ダービー・S1が3日、大井競馬場の2000メートルを舞台に行われた。8番人気の伏兵、サイレントスタメン(金子正)が、後方待機から直線の外を伸びて差し切り勝ち。2着はブルーヒーローで、足立勝厩舎の“ワンツー”となった。牝馬ながら1番人気に支持されたネフェルメモリーは、果敢に先行したものの4着。羽田盃に続く“2冠”を狙ったナイキハイグレードは3着だった。
人気2頭一蹴 競馬は、何が起こるか分からない。逃げたネフェルメモリーと、それを目標に、3コーナーからまくって行ったナイキハイグレード。直線半ばまでは、1、2番人気の2頭で決まるかにみえたが、ゴール前は、モエレエターナル、ブルーヒーロー、ワタリシンセイキが接近して大混戦に。その大外を一気に突き抜けたのが、8番人気のサイレントスタメンだった。
驚いたのは、ファンばかりではない。馬を出迎えた足立勝調教師は「(金子正が)前のレースを勝ったから、運を使っちゃたかと思った」と信じられないような表情。金子は、その前の10Rをタイセイユニオンで1着になっていた。金子は79年デビューで、今年31年目。東京ダービーは8回目の挑戦で栄冠を射止めた。「最高にうれしい。直線は、前の馬が止まって見えた」
足立師は、2着ブルーヒーロー、8着ブルーラッドとの3頭出し。「ブルーヒーローの方が先にくると思っていたが、しまいの良さが生きた」と表情を崩していた。
◆サイレントスタメン 父レギュラーメンバー、母ジプシーワンダー(父ブライアンズタイム)。牡3歳の黒鹿毛。戦績・12戦5勝。主な勝ち鞍・09年クラウンC。総収得賞金・6478万2000円。生産者・北海道新冠町の藤田一行氏。馬主・宮沢静雄氏。川崎・足立勝久厩舎所属。
-スポーツ報知-












