
高松宮記念に出走するアーバニティは、2月から1200メートルのレースを使われるようになり、韓国馬事会杯、オーシャンSと2連勝。一気に頭角を現してきた。父マンハッタンカフェは、典型的なステイヤー血統だが、こちらは、スピード、切れ味ともに抜群。短距離界の頂点を狙えるだけの資質を秘めている。
高い素質が、短距離の舞台で一気に花開いた。アーバニティは、1200メートル戦に矛先を向けると、韓国馬事会杯、オーシャンSを連闘で連勝。1か月前まで準オープンだった馬が、G1の舞台に駒を進めて来た。
1400〜1600メートルでは、道中行きたがる面を見せていたが、一転してスムーズな走りに。「まだ2回しか経験していないが、レースぶりを見ると、注文がつかないのは確かだね」と古賀慎調教師は鮮やかな変わり身に目を細める。
もともと、トレーナーは能力を高く評価していた。栗東の角居厩舎からデビュー。新馬戦13着後、地方競馬を経て転厩が決まったが、初めて見た時に「すごい馬だと思った。体付きは格好いいし、顔もいい。オープンまでは持って行かないといけないと思った」という。
2連勝はフロックではなく、能力があればこそ。そして、血の勢いも見逃せない。父マンハッタンカフェは、現在、種牡馬リーディングを快走中。01年菊花賞、02年天皇賞・春を勝つなど、ステイヤーとして大成した馬だが、その産駒は多彩な活躍を見せ、先週はジョーカプチーノが、中京1200メートルのファルコンSを制している。
「短めのところでブレークしているよね。産駒全体の特徴は分からないけれど、この馬は前向き。もともと母系は、そういう面があるからね」母レガシーオブストレングスの子は、藤沢和厩舎で助手を務めていた頃、何頭も手がけてきた。その名牝の最後の子だけに、「ゆかりの血統だからね。思い入れはある」。02年、姉のスティンガーが3着だったレースで結果を出せば、これ以上の喜びはない。
「今度はG1。時計を持った馬の中で、やらなければいけない。ただ、連闘後でも回復は順調だったし、かえって元気いっぱいなくらい。いい状態で臨めるよ」軌道に乗った良血馬が、一気に頂点を目指す。
-スポーツ報知-












