
わずか首差で逃した“G1馬”の称号を、今度こそつかんでみせる。天皇賞・春で2着に敗れたアルナスラインが、さらに充実した姿で、夏のグランプリに歩を進めてきた。
天皇賞は、最後の直線を前に、まさかの落鉄。ひと踏ん張りを利かせなければならない地点で“靴が脱げた”のは、致命的だった。「内に切れ込んで、さあこれからという時だったからね。痛かった」と松元調教師。当時を思い出し、悔しさをにじませたが、それでも小差の競馬ができたことで、手応えも得た。「ここに来て、3歳時の迫力が戻った感じ。競走馬として完成されたんじゃないかな」と言葉にも力が入る。
プールと坂路を併用しての調整で、前走時の状態をキープしている。18日の1週前追い切りには、蛯名が栗東に脚を運んだ。「2週前くらいからスイッチが入って、動きがグンと良くなった。蛯名騎手とは本当に手が合うし、いいレースができるんじゃないかな」と松元師。本番に関しては未定だが、調教では、日経賞優勝時にも使ったチークピーシーズを着用。距離が大幅に短縮されることから、行く気を出させながら“中距離仕様”のけいこを行っている。
昨年は、思い通りの位置を取ることができず10着。トレーナーの巻き返しにかける気持ちは強い。「昨年とは感触が違う。G1を獲りたいね」。そのチャンスは十分あるとばかりに、笑みを浮かべていた。
-スポーツ報知-












