
「10年たっても1勝できない人はいくらでもいるのに、こんなに勝ってばかりいて」。第76回日本ダービー(5 月31日)を制したロジユニヴァースの馬主、久米田正明さん(65)は自らの強運ぶりを強調する。1番人気に挙げられた4月のさつき賞は14着と惨敗したが、2番人気だったダービーでは見事に立て直して栄冠を手にした。
久米田さんは山梨県笛吹市に本社を置く精密機器運送会社「ロジフレックス」の社長。2年前の7月に馬主資格を取得し、ダービー初挑戦でGI初制覇を果たした。ロジユニヴァースは昨年7月のデビューから4連勝の快進撃を演じ、ここまで6戦5勝。ほかにも、3月に初勝利したロジゴールドや、1着2回、2着1回のロジロマンスなどを所有。久米田さんの今年の勝率は50%。通算でも 44.4%と驚異の数字を誇る。
「安くて走る馬を探すのが夢。それが一番楽しみ」。ロジユニヴァースの場合、一歩踏んだ瞬間に「脚に全然ばらつきがない。ぜひ欲しい」と即座に契約したという。さらに「これから出てくる馬も2、3頭いるけど、すごいですよ」と自信を見せる。
競馬に興味を持ったのが15歳で、「長年の勘」が大きいと話す。自宅では犬を複数飼い、やってくる鳥にも餌を与える無類の動物好き。時間が許す限り調教施設に通う。「筋肉を触ってここが張っているとか分かるんだよね」。馬への愛情の強さが好成績につながっている。
-時事通信-












