
春の天皇賞馬マイネルキッツが、G1連勝を目指す。美浦所属でも、天皇賞時と同様、栗東に滞在。じっくり体調を整えている。距離短縮、初めての阪神と、クリアすべき課題は多いが、国枝調教師は自信満々。12番人気での“盾制覇”を、フロックとは言わせない。天皇賞組では、2着アルナスラインも元気。14着に敗れたスクリーンヒーローは、逆襲の機会を静かにうかがっている。別路線で注目は、サクラメガワンダー。前哨戦の金鯱賞で4度目の重賞制覇を果たし、勢いに乗って臨む。
マイネルキッツは、完全に“敵地”の空気に溶け込んでいる。おう盛なカイバ食いは、リラックスしている証しだ。「これ以上食べたらまずいと思うくらい、よく食べている。状態は言うことない」と担当の福田調教厩務員。前走と同じ490キロ台の馬体をキープ。1週前の時点では落ち着かない面もあったが、今は全く心配ないという。
昨年暮れの阪神JFで、ダノンベルベールが2着。そして、天皇賞・春でのマイネルキッツの快走。国枝厩舎の所属馬は、栗東への“プチ留学”で好結果を出している。「直前に長距離輸送をして、(競馬場で)待たされるよりはいいと思う。レースに臨むにあたって、懸念材料を減らすことができる」と国枝調教師。阪神は、関東馬が入る馬房の近くに道路があり、騒音などに悩まされている。「関西馬が、東京や中山に入るのとは違うんだよ」。効果を口にするのと同時に、“待遇”の違いにチクリとくぎを刺した。
タイトルホルダーとして迎える一戦は、条件が一転。2200メートルの距離で、スピードも要求される。同じ阪神の内回りで行われた4月の大阪杯(2000メートル)は、一昨年の有馬記念馬マツリダゴッホが、ドリームジャーニー、ディープスカイなどに後れを取って7着に敗れたが、トレーナーは克服に自信を持っている。「キッツは大丈夫。ゴッホはホームランバッターだけど、こちらは堅実。うん、アベレージヒッターだね」
24日には、主戦の松岡が栗東に駆けつけて最終追い切りを行う。「サッとやればいいだろう」と国枝師。G1馬となっても、下馬評では4、5番手に過ぎないが、笑顔を浮かべて言った。「面白くない? いや、(気楽で)うれしいくらいだよ。前走くらいの手応えで追走して、距離ロスなく回って…。それで差し切られたら、しょうがない」。人事は尽くした。あとは天命を待つだけだ。
-スポーツ報知-












