
4着だった昨年とは、中身が全く違う。前哨戦の金鯱賞を制したサクラメガワンダーが、勢いに乗ってG1獲りを目指す。
今年は、2月の京都記念から始動。その後、ザ石のため間隔をあける形となったが、結果的には、余力を残して春の大目標を迎えることができた。「ザ石が完治した後は、予定通りの調教ができたので、ずっと上昇ラインを描いている。過程としてはバッチリと言えるんじゃないかな」と杉村助手はうなずいた。
金鯱賞は、小回りの中京ということで、早めに先頭に並びかける形になったが、以前の切れが徐々に戻ってきている。「課題としてやってきたのは、道中はジッとためてラストに弾けるような競馬をすること」と杉村助手。調教でも福永が騎乗し、その感覚を教えてきたが、その効果が出ているという。
一瞬の切れを取り戻す作業を続けてきたのは、すべて“打倒ディープスカイ”のためだ。「あの馬を負かすチャンスがあるとすれば、スッと動いて一気にかわしてしまうことでしょう。力勝負になったら、ジワジワ伸びるディープの方が有利になるからね」安田記念でウオッカが見せたような、並ぶ間もない強襲劇こそが、“1強”を倒すための唯一の方法。そして、それを可能にするだけの能力を持つ馬だと考えている。
だからこそ、昨秋の天皇賞でディープスカイに後れを取ったことには、何の不安も抱いていない。「当時よりも調子がいいのは確かだから、差は詰まるでしょう」と杉村助手。重賞3勝を挙げている阪神コースで、磨きをかけた末脚を一気に爆発させる。
-スポーツ報知-












