
◆第50回宝塚記念・G1(28日・阪神芝2200メートル) ウオッカの回避が決まった宝塚記念は、ディープスカイが主役を務めることになった。安田記念で女傑に完敗。一度は白紙に戻された凱旋門賞挑戦が「優勝」の2文字で再び、現実味を帯びてくる。
まだ夢を諦めきれない。ディープスカイはダービー馬対決となった安田記念で、ウオッカの前に完敗を喫した。直後、昆調教師は、凱旋門賞挑戦を白紙に戻した。しかし、上半期の最大目標は、あくまで夏のグランプリ。確実に上昇曲線をを描く姿に、気持ちは動いた。「ここで強い勝ち方ができるようなら、もう一度(凱旋門賞挑戦を)オーナーに言ってみよう」その口調は熱かった。
安田記念は14キロ増の524キロ。決して太くは見せなかったが、“ 想定外”の数字でもあった。担当の堂本助手が言う。「3歳の時は、東京へ輸送すると体が減ることがあった。ひどい時には栗東で測った時より10キロ近く減ったこともあり、そのことを頭に入れていた」。4歳の春になり、遠く海の向こうへ渡っても、と思わせるほどたくましさが備わっていた。
重賞での戦いは、3歳3月のアーリントンCから始まり、ちょうど10戦目。これまで、G12勝を含む4勝を挙げ、2着3回、3着2回。一度も大きく崩れたことがない。反面、昨秋の神戸新聞杯を最後に、白星から遠ざかっているのも事実だ。それだけに、トレーナーの勝利への渇望は増すばかり。「どんな条件でも崩れずに走ってくれる。こんな馬で向こう(凱旋門賞)に行かなかったら、どれで行くんだ、というぐらいに思っている」。誰もが認める強さで優勝を飾った時、夢は再び動き始める。
-スポーツ報知-












