
「第50回宝塚記念」の枠順が25日、確定した。昨年のダービー馬ディープスカイは11番。天皇賞・春の優勝馬マイネルキッツは1番に入った。木曜追いではアルナスラインがチークピーシーズ再着用で迫力満点の動きを披露。
ため息が出るほどの重厚感。540キロを超す巨漢馬アルナスラインの最終追いは迫力満点。坂路で4F53秒7〜1F13秒3。田代助手のゴーサインに応えて脚を伸ばした。計測距離800メートルの坂路は短すぎて?時計が地味なのはいつものこと。軽さはなくても、前日までの雨でたっぷり湿ったはずのウッドチップを高々と蹴散らすパワーがこの馬の真骨頂だ。
双眼鏡を手に、動きを追った松元師も自然と笑みがこぼれた。「予定通り。きのう(24日)の雨も残っているし、時計的にもまずまず。先週もびっしりやったので、これ以上スイッチが入っても困るしね」。
注目すべき“再兵器”は、額の両側に装着されたチークピーシーズだ。実戦では2走前の日経賞で初着用してV。天皇賞(2着)は「気持ちも前向きになった分、3200メートルでは逆効果」(松元師)と外したのが功を奏した。今回は再び着用する。蛯名が駆けつけた1週前追いに続いて装着し、テンから気迫に満ちた走り。指揮官は決断した。
「はい、レースでも着けます。距離も直線も短くなるし、ある程度は前に行きたいので。それに阪神内回りは3コーナーから動く馬が多い。他の馬を気にする面が残っている分、チークでカバーできる」。馬群がひと塊になる勝負どころで集中力を持続させ、ゴール前でひと踏ん張り…が再着用の狙いだ。
なかなか絞れない冬場の悩みも夏場は無用。バリバリ食べても、自然とシェイプアップできる。「昨秋は当初600キロあった体を絞るのに苦慮した。大きいけど迫力がなかった。汗をかく時季になって体調も安定しているし、今が一番。もう完成したと言っていい。ジョッキー(蛯名)もこの馬の特徴を把握してくれているし、本当に楽しみ」。菊花賞、天皇賞・春でG1・2着2回。無冠でも力負けはない。大好きな夏は、悲願成就の最高の舞台だ。
-スポーツニッポン-












